初めて金継ぎをしたのは2014年の夏。
それまで、割れたカップや欠けたお皿はもっぱら植木鉢とその受け皿にしていました。
どんどん増える多肉を幾つか育てているのでそれはそれで役に立ったのですが、すべての食器に適性があるわけでもなく、やはり食卓で使い続けたいお気に入りだってある。

いつかやろうと押入れに装備していた金継ぎ道具セットを持ち出して、付属の薄い冊子を参考に最初に継いだのがこれです。

Collage_Fotor.kintsugi

ポットとそのなかで使う茶漉し。

失敗してやり直したりしながら、2ヶ月以上かけて何とか仕上げました(今考えるとよく初っ端から金を蒔いたよね、怖い怖い)。
よかった、苦労した甲斐あったと浮かれていたら無傷の蓋を落としたうえ焦ってなぜか蹴っ飛ばし…という惨事も今は笑って振り返ることができます。

Collage_Fotor.kintsugi2

 

ところで金継ぎ金繕いと言いましても別に金で継ぐわけではなく、漆を接着剤に、漆と木粉や小麦粉などを混ぜて作ったペーストで欠けを補いながら修繕し、最後に塗った乾ききらない漆の上に金銀真鍮などの金属粉を振りかけて仕上げるのです。
上記蓋画像のように、別に金属粉を使わず漆で終わらせることもできます。

そして大事なこと。
漆の乾燥には高温多湿が最適です。
他の塗料などとは違い、漆は湿度がないと硬化にとても時間がかかってしまうのです。
20℃以上の気温と65%以上の湿度が必要で、つまり日本の冬は金継ぎにまるで向いていません。
向いていませんが、親に頼まれた皿の繕いを年末の帰省までに仕上げたいという事情があり、冬の金継ぎに初挑戦しました。

2018-12-05 14.20.16

 

ボンドでくっつけた状態だったのでまずは煮沸分解後ルーターでボンドを剥がし、準備OK。
後半へ続く。