ボーリングはガター

以前CINQさんで購入したSolwangのディッシュクロスがあまりにふかふか気持ちがいいので、思い立って自分でも編んでみました。

ガーター編みです。
小学生のころ、母に教わりながら初めて編んだのがガーター編みのマフラーでした。
ほぼそれ以来の、ガーター編みです。

ずっと手を出さなかった理由は、件のマフラーがひどい出来だったのと、(おそらくそのせいで)編み地にも野暮ったいイメージがあったから。
でも今回、目の詰まったガーターのテクスチャーに感銘を受け、数十年ぶりのチャレンジです。

しかし難しい。どうしても目が緩む、揃わない。
使用糸のGIZA70(対応棒針6~8号)に対し、5号でスワッチを編み始めてみたものの何度も何度もやり直し、最終的には2号で、それもかなり糸を引き気味に編み進むことに。
ここまで半月くらいかかりました。
さらに段数の割に増えていかない編み上がり面積と、表も裏もない苦行のような退屈さ。
このまま編み棒を抜いて雑巾にして捨ててしまいたいムシャクシャ感と闘いながら、トータルひと月以上かけてようやく編み終わりました。

 

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画像の右がSolwang、左が私が編んだもの。
まあ、そこそこな感じに見えますが、編み地を真上から撮ると違いは一目瞭然、がっちゃがちゃです。

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奥が深いな、ガーター編み。
そもそも糸が太かったかな。
次はもう少し細い糸で編もう。
グレーで鹿の子とかもいいな。

編み終えて早くもそう思い始めているのですが、次を編む未来の私に先に言っておこう。

 

きっと後悔するよ。

小さなポッケにいれておくもの

買ったホースが蛇口に合わなかった。きっかけはそれだけのことでした。

専用のコネクターを買い足そうか迷っていたら、そもそものホースを買った理由、であるところの問題点が別方向から解決したため、使えないホースだけが残ってしまった。
無用の長物になるならばと切り刻み、何となく糸を巻いてみた。で、何となくそれをピアスにしてみた。

これが、アクセサリーを作り始めた最初の最初。
ピアスなんて冠婚葬祭でしか着けなくなって久しかったのに、不思議なものです。

 

作ったものを見せながら友人に話を聞いてみると、彼女たちのピアス事情はさまざまでした。

ホールはあるけれど、アレルギーでピアスができない。
ホールはあけたけれど、ピアスをしなくなって閉じてしまった。
ホールをあけるきっかけを、何だかんだで逃してしまった。
ホールをあけるのが嫌でイヤリングをしているけれど、耳や頭が痛くなる。
そもそも似合うイヤーアクセサリーがない。

なるほど、なるほど。
アレルギーは辛いね。金属素材はなるべく吟味しよう。
ピアス派とイヤリング派は大体半々くらいかな。イヤリングも作ろう。
痛いのは金具のせい?重さもかな?
似合うもの、意地でも作ってみよう。

あれこれ考えたり調べたり、そうして作ったものをまた試してもらったり。
あの頃は彼女たちの笑顔しか頭にありませんでした。

 

ある日、言われた言葉で腑に落ちた気がしました。
「母がね、『10代20代にはナチュラルにあった顔の”華”はだんだんなくなってくるから、耳に大振りな、カラフルなものを持ってくるといい』って言ってた。」

かつて好んで着けていたシンプルなピアスを使わなくなった理由も、
輪切りにしたホースでピアスを作った理由も、
そして「こんなの似合わないと自分では思ってたけど意外と似合う!」を友人たちと共有したかった理由も。

 

 

齢を重ねるということは、顔に華がなくなるということかもしれないけれど、華やかなものが似合うようになる、ということでもあると知ること。
それはとても小さくて、ジーンズのいちばん小さなポッケに入るようなことだけれど、やっぱり少し嬉しい。

そんなものを作っていきたいと思ったのでした。

 

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去年の春、最初に作った私用ピアス。

今見るといろいろ雑でびっくりするけれど、愛用しています。

べらんめえには届かない

本当にどうでもいいことで恐縮ですが、「○○っ○○」というリズムの単語が好きです。
かっぱ でも おかっぱ でもなく「おかっぴき」。
ばっち でも ばっちり でもなく「とばっちり」。

見栄っ張り。うわっぱり。からっ風。崖っぷち。つるっぱげ。泣きっ面。やけっぱち。

こうして並べてみると気になってくるのが、促音の規則性。
などではもちろんなく、ただよう「涙目でべらんめえ」感です。

すきっ腹。これっぽち。うわっつら。腕っぷし。甘ったれ。みそっかす。これっきり。

いいですね。
情けなくも愛すべき人物像と物語が浮かんでくるではありませんか。
だからどうということもないのですが。

 

と、書いていて「英語ではどうなのか?」という疑問が浮かび、5分ほど考えてみるも「○○ッ○○」な英単語がコロッサスとスロットルしか思いつかず、〈英語〉〈促音〉で検索してみて衝撃の事実が発覚しました。

なんと、英語には促音がない!

言われてみると膝を連打せざるを得ない納得感、でも恥ずかしながら今の今まで知りませんでした。
まさかの有益な情報。
「○○っ○○」、こんなところに着地するとはさすがです。

 

さて。
そんなに「○○っ○○」が好きなら自分の屋号ももう一歩頑張れよと思うところですが、それはそれ。
どうしたって江戸っ子にはなれないですしね。

タゴットです。
エドッコ でも ファゴット でもなく「タゴット」。

糸を材料に小さなものを作っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

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