手しごとまわりのこと

二人展「羊歯奏」開催のお知らせ

10月12日(土)より、鎌倉の招山さんにてFUJITAMIHOさんとの二人展【羊歯奏】が始まります。

 

 

招山さんは、今年2月の【7人の白い靴下展】でもお世話になった場所であり、いつも素敵な展示をされている大好きな場所。
シダをテーマにFUJITAさんと、というお話をいただいたときから、ずっとワクワクソワソワしてきました。

庭の自生植物で標本を作り始めた5年前。
見分けることができず、図鑑片手にオロオロウロウロさせられたのがシダ。
そして、抜いて捨て去ることができない美しさ、繊細さ、恰好よさに何度も目を奪われたのもシダ。
私にとってのシダは特別な思い入れがある植物です。

今回の展示には一年かけて庭から採取し、半年かけて縫いに縫った標本などのシダ作品と、虫食葉標本(花無し繋がり)も少し、持っていきます。
全部同じに見えていたあの頃の私にも捧げたい、23種の個性溢れるシダたちのあれこれ。
ぜひ招山さんにてご覧くださいませ。

そして…FUJITAさんの植物への愛が形を成したような作品の数々!
今も私はワクワクソワソワです。

 

 

こちらは新しいpatternシリーズ。
数種のシダの羽片(葉の欠片)を並べています。
それぞれの形の個性はもちろん、黒台紙で際立つ緑の微妙な違い、そして時を経てのそれぞれの変化も楽しんでいただければと思います。

 

FUJITAMIHO
秋田の自宅の庭で藍や小鮒草を育て、山で背高泡立草や栗のイガなど採取し身近な草木で綿糸を染め、かぎ針で装身具や造形物を編みます。
羊歯などの植物モチーフの装身具・造形を展示します。
13日(日)在廊

tagotto フカノナツ
鎌倉に居を移したことからはじまった雑草標本作り。
絹糸で台紙に縫い留めていきます。
種類豊富な羊歯と虫喰い葉を中心に展示します。
全日在廊

 

【羊歯奏】
10/12(土) – 20(日)
11:00-17:00
招山|雪ノ下
神奈川県鎌倉市雪ノ下1-9-29 金子ビル201(Google Map)
(鎌倉駅東口 徒歩6分)

企画展「okko yokko+7人の白い靴下」参加のお知らせ

 

 

直前のお知らせになってしまってごめんなさい。
日曜日から鎌倉・招山さんで始まる企画展「okko yokko+7人の白い靴下」に参加させていただきます。

イランの女性たちによる手紡ぎ&手編みの原毛靴下を、さまざまな作家さんたちが手を加えてカスタマイズするというとても楽しい企画展。
まさかまさかでお声をかけていただいて、スキップするほど嬉しかったです。

 

 

okko yokkoさんから届いた白い靴下はほのぼの美しく、温かく、ドキドキするほど魅力的。
これをこのまま毎日履きたいという欲求を抱えながら、底面に繰りかえし針を入れました。
長く使っていただけるようにと事前繕いのつもりで。
使用している毛糸は、祖母、母、私が集めてきたものです。
そして色のイメージは、毎日踏みしめている庭です。
雑草たち、土、石、レンガなど。

 

 

期間中は7人の白い靴下+αとともに、イランのカラフルな靴下もたくさん並びます。
それからイランとタイの、手仕事のあれこれも。
お近くの方はぜひ足をお運びください。
私も、とてもとても楽しみにしています!

 

 

こちらは縫うときに靴下につっこんでいた二人静の箱です。
いつものダーニングマッシュルームよりも広く縫えて、余り糸も収納できて具合がいい。
しっかりした手編み靴下のお直しにおすすめです。
紙箱ゆえ、酷使しすぎて毛羽立ってしまいましたが…。
この昔ながらの銘菓、「ふたりしずか」ではなく「ににんしずか」と読むんですね。
最近知りました。

::::::::::::::

【 7人の白い靴下 】

◆HAM.embroidery
◆サイチカ
◆河合 愛
◆yuki
◆なお樹
◆風糸ブックス
◆フカノナツ

※ 靴下作品は会場にてご購入いただけます

::::::::::::::

【OKKO YOKKO + 7人の白い靴下展】
2/11(日) – 18(日)
11:00-17:00
招山|雪ノ下
@shouzan33
神奈川県鎌倉市雪ノ下1-9-29 金子ビル2F
(鎌倉駅東口 徒歩6分)

雑草標本展「草を縫う」開催のお知らせ

 

 

 

 

9月2日(土)から、京都のbononさんにて雑草標本の展示会を行います。
お近くの方、お出かけのご予定がある方、ぜひお立ち寄りくださいませ。
とっても素敵な場所です。

今回、会期中はずっと在廊します。
また、雑草関連では初となるワークショップも開催します。

 

 

 

「草を縫うワークショップ」

乾燥済みの雑草からお好きなものを選び、はがきサイズの台紙に絹糸で縫い留めます。
最後に学名を記載して、封筒と無地カードをセットにしてお持ち帰りいただきます(おひとり様1または2セット)。

紙に草を縫い留める。
はて?
と思われるかもしれませんが、ぜひ体験してみてください。
持ち帰った雑草は、歩きながらついつい探してしまう特別な植物になるはずです。
あれこれお話しながら、楽しく手を動かす2時間にしたいと思っています。

開催日 9月3日(日)、9月5日(火)
時間  11:00-13:00
参加費 3,000円

使用する道具などはすべてご用意しておりますので、雑草をお好きな方もお嫌いな方も、ぜひお気軽にご参加ください。
※日常でお使いの眼鏡やルーペがあればご持参ください。

ご予約はbononさんのメール、またはお電話からお願いいたします。

info@bononkyoto.jp
075-741-8816
Instagram

初めての、関西での個展。
滋賀育ちの私にとって、京都はやはり少し背筋が伸びる場所です。
修学旅行で行った街であり、一人で県外へ出かけた最初の街。
あと、幼なじみが暮らす街でもあります。

とても楽しみです。
どうぞよろしくお願いいたします。

tagotto雑草標本展「草を縫う」

9月2日(土)-9月10日(日)
13:00-20:00(平日)
11:00-20:00(土日)

※会期中は常時在廊予定です
※最終日17:00まで
※9月6日(水)休廊

bonon kyoto
https://bononkyoto.jp
京都市下京区平居町20-3 [GoogleMap]
075-741-8816
・京阪 清水五条駅より徒歩4分
・阪急 京都河原町駅より徒歩14分
・JR  京都駅より徒歩20分
京阪清水五条駅より、五条大橋を渡り、ガソリンスタンドの先左折。
MIMARU(元仏眼医療専門学校)南側コインパーキングの南側路地を東入る。

「tagotto雑草標本展 at sawvi」 終了しました

 

雑草標本展 at sawvi、昨日で全日程が無事終了しました。

今回は初めての春開催。
庭の雑草が育ち始める直前のタイミングで、という私の我儘に合わせて日程を組んでいただき、春の柔らかい光や雨音のなかでゆっくり標本をご覧いただくことができました。
とても貴重でありがたい経験でした。
sawviの皆さま、本当にありがとうございました。

 

 

階下のカフェからは、いつも幸せな匂いと感嘆の声。
はるばる遠方からいらしてくださったご縁のある皆さまや、いつも足を運んでくれる友人たち、そしてsawviさんを通じて初めてお会いした方々。
この良き場所で、皆さまと雑草についてあれこれお話ができたことがしみじみ嬉しかったです。
花粉や雨や心細くなる小径。
きっといろんなものを乗り越えてお越しくださったはずで、本当に、心から、感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

 

それから、ランダム雑草の壁にはたくさんのカードを貼っていただきました。
雑草へのいろんなコメントやそのコメントへのコメントまで。
毎日閉店時にくすっと笑ったり、なるほどと唸ったり、恐縮してしまったりの日々でした。
いろんなタイミングでいろんな言葉を思い出しながら、これからも標本を作り続けていきます。
ありがとうございました。
(そのなかの一枚に書かれてあった「ゼニゴケも愛して」は、今年の目標になりました。)

今日、久々に庭をじっくり見てみると、スギナとともに数本のツクシが出ていました。
鎌倉で4度めの春ですが、初めてのことです。
これからもまだまだ初めてのことがあるんだろうな。
楽しくて楽しみです。
皆さまも、どうか引き続き素敵な春をお過ごしくださいね。

またお会いできる日まで。

tagotto
フカノナツ

地に足がついた日のこと

初めて下北沢へ行った日、マルチカラーのマフラーを買った。

東京へ出てきて間もない頃で、当時私は駅地下のお店で働いていて、その駅から徒歩数分のところにある古アパートの3階に住んでいた。
便利なわりに賃料は安く、外壁に貼られた青緑色のタイルと老婦人大家さんが飼っていたチンチラ(猫のほう)が可愛かった。

契約時に女性限定のアパートと聞いていたにもかかわらず隣人が男性だったり、それでも洗濯物は屋上に共同で干さなければならなかったり、他にもいろいろびっくり要素の多い物件だったが、大都会ハイだったのでそれもこれも「東京っぽい」と思っていた。
ちなみに隣人は大家さんの息子さんで、女性限定は嫁探しのためかと妙に納得してもいた。

このアパートでいちばん驚いたのは別のこと、マフラーだ。

夏に東京へ来て秋にマフラーを買い、冬に使って春に洗濯、翌冬押入れの奥から出したそのマフラーに10箇所以上穴が空いていて、「嘘やん」と思った。
虫との戦いを年中強いられる田舎の家で育ったけれど、ここまでひどい虫食いは見たことがなかった。
なのに、え、なんで東京で?嘘やん。

東京のアパートにもマンションにも普通にヒメカツオブシムシやヒメマルカツオブシムシはいると後に知ったけれど、そのときはとにかく驚いて、ショックというよりただ驚いて、それから、東京も地続きだという当たり前のことを実感した。
こうして田舎者の大都会ハイは人知れず終わったのだ、下北マフラーを犠牲にして。

 

いやいや、マフラーそれしかない。
でもこのまま使うのは恥ずかしい。
そんな理由で、仕方なしに繕った。

今ならダーニングで穴を埋めるか、極細糸で編んだモチーフを縫い付けるかすると思うが、当時はなぜか穴を丹念にかがっている。
刺繍糸と謎の熱意でもって穴を広げる勢いでぐるりんと。

 

2016-05-29 001

 

このとき夢中で繕った楽しさは今も覚えていて、その後の手しごと、たとえば何かを直すということや、tagottoの糸を巻く工程にも繋がっているような気もする。

 

 

 

 

ここ数年はまったく使わずしまいっぱなしになっていたそのマフラーを、思い切って湯たんぽカバーにしました。
虫食い穴も生かす形で巾着に。
虫が脇目も振らずに食べ散らかすだけあって肌触りがよく厚みもあり、湯たんぽカバーとしては必要十分。
形は変われどまだまだ長く付き合っていけるんじゃないかな。

 

2019-12-13 14.18.24

 

切ったり縫ったりしながら思い出した昔話でした。